ビデオ信号レベルの制限

IREの範囲について

ビデオ信号のレベルはIREで表され、正規の範囲は0%~100%です。しかし、正規の範囲をわずかでも超えると対応するコードがなくクリップされてしまうのでは、実運用上不都合な場合があるので、「スーパーホワイト」および「サブブラック」と呼ばれる余裕部分を含めて割り当てが行われています。そのため、IREはおよそ - 7%~ + 109%の範囲をとります。

[セーフカラー]を利用した自動調整

編集などの処理を完了して最終出力を行う段階で、IREを0%~100%の範囲に制限したい場合には、[カラーコレクション]の[カラーバランス]が利用できます。

[カラーバランス]ダイアログの[セーフカラー]にチェックを入れると、YCbCrの各信号がIREの0%~100%の範囲に収まるように制限されます。

“カラーバランスを調整する”

[セーフカラー]で自動調整したあと、[ビデオスコープ]のRGBウェーブフォームで確認したときに、0%~100%の範囲に収まらない部分が認められることがあります。これは、0%~100%の範囲に制限されたYCbCr信号をRGB信号に変換したとき、RGB信号として0%~100%の範囲外になる場合があるからです。

  • 出力フォーマットで、非圧縮RGBなどRGB信号で出力するコーデックを使用しない限り、YCbCr信号のまま出力されますので、実際の出力信号自体は0%~100%の範囲に収まります。

RGB信号でのIREの制限方法

RGB信号として見たときでも0%~100%の範囲に収まる信号にしたい場合には、プライマリーカラーコレクションでの調整が利用できます。

プライマリーカラーコレクションの[カーブ]を使用し、次のイラストのように設定すると、RGB信号が0%~100%の範囲に収まります。

“[プライマリーカラーコレクション]の調整”

  • RGB信号を0%~100%の範囲に制限すると、YCbCr信号も0%~100%の範囲に収まりますので、[カラーバランス]の[セーフカラー]を併用する必要はありません。

  • [ハイライト]と[シャドウ]の設定値は、それぞれIREの100%と0%に対応しています。[ライト]、[ミッドトーン]、[ダーク]は信号レベルの制限とは関係ないため、パラメーターを操作してトーン調整に利用できます。

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