照明機材
04 | 照明機材
ライト
ハロゲン灯
「タングステンライト」とも呼ばれます。(ビデオ用照明としては)比較的安価で広く使われていますが、ランプの寿命が短い(50時間程度)、発熱量が多い(効率が悪い)、などの短所もあります。色温度は3200K付近です。
写真:ハロゲンエフェクト スポットライト 東芝ライテック AL-EQS-10-3
蛍光灯
同じ明るさのハロゲン灯よりも高価ですが、寿命が長い、発熱量が少ない(効率が良い)という長所があります。色温度は3200~5600Kまで範囲が広いことも特長です。形状はハロゲン灯と同じようなスポット式のものや、平面形状(バンク)のものがあります。
民生用の蛍光灯は特定の波長の光が強く、ビデオ撮影用照明には向きません(緑っぽい画になってしまいます)。ビデオ撮影用の蛍光灯は光の成分を調節してより自然に見えるようになっています。(これを「演色性」と言います。)
写真上:蛍光灯スポットライト 東芝ライテック AL-FLS-42L-1
写真下:2灯式蛍光灯フラッドライト 東芝ライテック AL-FL-2-2
LED
LEDとは発光ダイオードのこと。最近は自転車のライトにも使われるようになりました。寿命が非常に長く、発熱量が少ない(効率が非常に良い)ので、蛍光灯よりさらに省エネなライトです。しかし現在実用化しているものはビデオ撮影用としてはまだ光量不足で、カメラに取り付ける補助ライトなどで用いられています。
写真:カメラシュー対応LED テクニカルファーム TF-LED
HMI
HMI(Hydrargyrum Medium-arc Iodide)は、メタル・ハイドランプとも呼ばれます。とにかく明るく、色温度がほぼ太陽と同じことから、デイライトとも呼ばれます。実際に、ドラマ撮影では「窓からそそぎこむ外光」に使われたりしています。
デメリットは高価なこと。また、「バラスト」という電源兼過電流防止装置が必要です。
写真:HMI575ユニフォーカス 東芝ライテック AL-UFH-5-4
ライト以外の照明器具
レフ板
代表的なレフ板には銀色の面と白色の面があり、銀色はより明るく・より固い光を、白色は明るさを抑えて柔らかい光を作りたい時に使います。照明の数が足りない時や、屋外での撮影で非常に重宝する機材です。
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カポック
カポックとは発泡スチロール製の板で、両面白色や、白色と黒色の2面のものがあります。
手に持ったり、スタンドに固定して使いますが、役割はレフ板と同じく柔らかい反射光を作ったり、余分な照明をさえぎることです。実際の現場では、壁や天井をカポック代わりに使うこともあります。
その他
・ディフューザ(トレーシングペーパー)
照明の光質をやわらげてより一様に近い光を作ったり、影を弱めたりするのがディフューザです。照明機材にとりつける専用のディフューザもありますが、もっとも安価で広く使われているのが「トレーシングペーパー」です。
ハロゲン灯のバンドアにとりつけたり、専用のホルダーにとりつけたり、時には手で持って使います。トレーシングペーパーを照明から離すほど(=対象物に近づくほど)光がやわらかく、影が弱くなります。これはトレーシングペーパーに照明光があたる面積が大きくなり、平板照明に近づくからです。
・色温度変換用フィルター
照明の色温度を変えるためのものです。色温度を下げるときは褐色(A系)、上げるときは青色(B系)のフィルターを使います。詳しくは「照明02-色彩表現~照度と色彩」へ。
フィルター使いの鉄則
小さいと、フィルターの外から変換されていない生の光がもれ、被写体にあたってしまいます。 2:古いフィルターは早めに捨てるフィルターは使うにつれて劣化し、長時間使ったフィルターは褪色(「色焼け」)するので、所定の効果が得られなくなります。 3:バンドア付きの照明機材には、ループ状のたるみをもたせるフィルターがランプに接触すると焼け焦げます。注意してください。 |