1. EDIUSWORLD.COM TOP
  2. Pimopic
  3. 音素材

音素材

05 | 音素材

映像制作に必要なもうひとつの重要な素材が、音素材です。
ここでは、「音素材」の創り方と、音のクオリティをあげるための「ちょっとした気遣い」をご紹介します。

創り出す音素材とは

「録音」の章で述べた音声の分類を使うと、「創り出す音素材」というのは、「M.E.」と「S.E.」の一部に相当します。

創り出す音素材

音素材を半分手作りする

著作権フリーの音素材の一例
『音・辞典』データクラフト

既存のBGM集や効果音集には気に入った素材がなく、作曲を頼めるような友人もいない…。では、「音を創ろうか」と思っても、効果音や音楽をゼロから作り出すのは難しいものです。実際、音の物理や作曲理論などを説明するとなると、とてもここには書ききれない量になるでしょう。
そんな場合には、「著作権フリーの音楽(効果音)素材集を使って、半分手作りする」という方法があります。

M.E.用には「音楽」素材、S.E.用には「効果音・心理音」素材があり、各販売元独自の視点で、テーマ別にコンパイルされ、適当な音楽素材を探しやすくなっています。

著作権に注意

「著作権」とは、著作者(創作者)が著作物を独占できる権利です。これは、音楽に限らず、創作者だれもが持っている権利で、著作者に無断で、その著作物を使用することはできません。好きなアーティストの音楽を自分が作った映像に断りなく使う・・・ということは原則としてできないわけです。

著作権フリー素材の使い方(ループ素材)

ここでは、M.E.用の「音楽素材」に焦点をしぼって、著作権フリー素材集を使う方法を、簡単に説明します。

様々な形式の音楽素材集が発売されていますが、使いやすいのが、「ループ素材」と呼ばれるものです。ループ素材とは、音楽の「部品」のようなもので、素材を時間的につなげたり、同時に重ね合わせたりすることで、ブロックを組み立てるように音楽を作ることができるものです。ループ素材自体は「既存品」ですが、それらを並べたり重ねたりしてできた音楽はオリジナルの作品、と言えるわけです。

ループ素材のもうひとつのメリットは、素材をつなげることで映像の長さやタイミングと音楽を合わせやすいということです。なかにはループ素材のテンポ(BPM: Beats Per Minute)を変えられるものもあるので、既存のBGMを流すより、「同期(シンクロ)感」を演出しやすいわけです。

エンディング用素材を使おう

ループ素材をただ繰り返すだけでは、「曲が終わった感じ」を出せません。しかし、時には「このタイミングで”ジャン!”と映像と同期させて音楽を終わらせたい」ということもあります。そのような場合に「エンディング用素材」を使います。一連のループ素材の並びの後にエンディング素材をつなぐことで、区切りや場面転換を演出することができます。

収録した音素材のクオリティをあげる、「ノイズ・リダクション」

現場で録音した音素材には、目的とする音以外に必ず不必要な音が紛れ込んでいます。
例えば、インタビューの録音の場合、対象となる人の話し声の以外に、部屋のエアコンの風音や、屋外を走る車のエンジンの音が入っているかもしれません。

これら「不必要な音」=ノイズは、一般的には除去すべき音です(*)。ノイズを除去することによって目的の音がより鮮明に聴き取れるようになり、映像作品のクオリティが向上します。

* 例えば街頭インタビューでの雑踏の音などは、場所のリアリティを感じさせる目的で、意図的に残すべき場合もあります。つまり、その音が単なるノイズか否かは演出目的にもよるので要注意です。なお、映画やドラマでは、最初役者さんの演技だけを録音して、後で別録りした、その場所の「ノイズ」を重ねて、現場の雰囲気を出すような演出も行なわれています。

「瞬間的なノイズ」のリダクション

ノイズには、瞬間的なノイズと定常的なノイズの2種類があります。
瞬間的なノイズの場合は、「該当する部分の映像自体を削除する」ことがもっとも簡単で一般的でしょう。例えばインタビュー録音の間に、コップを落とす音が入ってしまったら、その瞬間を含めた前後をカットするわけです。

瞬間的なノイズの除去方法

「定常的なノイズ」のリダクション

目的とする音声にかぶってしまうような「定常的なノイズ」の除去は問題です。
例えば、現場収録時に冷蔵庫やエアコンのスイッチを切り忘れていて、音声に「ブゥーン」という音が鳴り続けている場合などです。テープのヒスノイズ、ハムノイズ等、この「定常的なノイズ」は、程度の差はあれ、どんな音声素材にも入っているものです。
このような「定常的なノイズの低減」に効果があるのが、ノイズ・リダクションという処置です。ノイズ・リダクションは、従来は音声処理ソフトを使う必要がありましたが、最近では映像編集ソフトにも標準で装備されるようになり、その性能や使い勝手はかなり向上しています。