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ラウドネス測定

ラウドネスとは

「番組からCMになると同時に大音量が響いた」「チャンネルを変えたら音声が小さかった」という経験をお持ちではないでしょうか。「ラウドネス」は、こうした音量の不統一を避けるために導入された新たな音量測定基準です。ラウドネス導入以前のVUメーターを用いたダイナミックレンジの測定ではなく、人間の聴感特性を考慮した音の大きさを数値化していることが大きな特長です。
音量のばらつきを抑えようというこの取り組みは、制作がアナログからデジタルへ移行したことにも大きく関与しています。今後の制作では、VUメーターがラウドネスメーターへと置き換わり、信号レベルがピークメーターへと移行していくことになるでしょう。VUメーターでは電力ベースでしたが、ラウドネスメーターではサンプリングベースとなります。音声サンプリングのフルスケール時を0dBFS(dB Full Scale)として、そこから平均レベルを何dBFS下げて基準にするかを規定します。

ラウドネス運用規定について

民間放送連盟では、電波産業界(ARIB)が、ITU-R(国際電気通信連合 無線通信部門)の勧告に基づいて策定したTR B-32「デジタルテレビ放送番組におけるラウドネス運用規定」に準拠した音声レベル運用基準を2012年10月から試行し、2013年4月からは完全施行しました。日本放送協会でも、2013年4月の番組からラウドネスによる音声レベル管理の運用を開始し、番組間の音量レベルを平均化しています。
民間放送連盟の運用基準においては、Kカーブと呼ばれる高音域に重みづけを行ってフィルタリングしたラウドネス値LKFS(Loudness K-curve Full Scale)を採用しています。平均の聴感基準レベル(ターゲット平均ラウドネス値)を-24LKFSとし、±1LKFSが運用上の許容範囲とされています。-23LKFSを越えるものについては、音量を調整し直す必要があります。-25LKFSを下回るものについては、-28LKFSまでは特記事項の記載無しで納品でき、-28LKFSも下回る場合は、「想像的な制作要求」が最優先である理由を明記することで運用が可能となります。
ラウドネス運用規定は、放送局の番組・CMの運用における規定ですが、今後は各種ビデオパッケージにも活用されていきます。

ラウドネスメーター機能

EDIUSが搭載している「ラウドネスメーター」機能は、ARIB運用規定(TR-B32)に準拠したモニタリングが可能です。音量の自動修正には対応していませんが、映像を再生しながら、平均ラウドネス値、モメンタリ値、ショートターム値、ラウドネスレンジをリアルタイムで測定し、音量が適正かどうかを納品前に確認することが可能です。また、タイムラインだけでなく、Bin上のクリップも解析することもできます。※EDIUS Pro 8は非対応(弊社業務用ターンキー、EDIUS Pro 7にて対応)

ラウドネスメーター使用法

loudness_menu.jpg

ラウドネスメーターは、メニューの「表示」「ラウドネスメーター」を選択すると起動します。ボタンのカスタマイズでタイムラインウィンドウにラウドネスメーターボタンを配置し、起動させることも可能です。

loudness_01.jpg

ラウドネス測定アルゴリズムは、ITU-R BS.1770-2に準拠したものとEBU R128に準拠したものから選択できます。

laudness_detail_setting.jpg

5.1chサラウンドにも対応しており、タイムラインのオーディオチャンネルをL/R/C/LS/RSのスピーカーに割り当てて測定することも可能です。また測定グループは2つ設定できるので、1つは2ch出力、もう1つは5.1ch出力に設定して、同時にラウドネスを測定することも可能です。
日本のデジタル放送におけるダウンミックスの算出式は、「算出式 – 1」~「算出式 – 4」が利用されます。これらは同じ計算式ですが、ダウンミックス係数が異なります。このダウンミックス係数は、受信機に対するメタデータとして送出する係数で、メタデータが設定されていない場合、受信機は係数を0.707としてダウンミックスを行います。この場合、「算出式 – 1」に相当します。

laudness_lu.jpg

表示単位については、LUFS/LKFS値での表示だけでなく、LUのチェックボックスでLU値での表示も選択できます。LU値は、ターゲット平均ラウドネス値を基準にした差の値です。

適正な音量でのラウドネスメーター

loudness_ok.jpg

明らかに大きい音量でのラウドネスメーター

loudness_ng.jpg

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