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ロケハン

06 | ロケハン

ロケハンとは

ロケハンとは、ロケーション・ハンティングの略で、画コンテ作成時や実際の収録の前に、実際に収録を行う場所を下見することです。ロケハンは単なる撮影対象の確認ではなく、次のような多面的な確認を行います。そのため、実際の収録とできるだけ同じ条件下(同じ時間帯、曜日等々)にロケハンを行うことが望ましいでしょう。また、ロケハンの結果によってはシナリオを修正する必要が出てくることもあります。ロケハンから実際の収録までは余裕を持ったスケジュールを設定することも大切です。

  • 収録場所の広さ(機材設置場所や被写体との距離)
  • 雨風の影響(屋外の場合)
  • 背景(映したい物、映したくない物)
  • 時間的な特別事項(朝は通学の人通りが多い、その曜日は休館日など)
  • 外光や屋内照明の強さ、向き、種類
  • 音響環境(壁の材質や空間の大きさ、外部騒音など)
  • 電源の有無と種類(電圧、電源容量、コネクタの形状など)
  • 安全面(危険な場所、機械や取扱い注意の薬品など)
  • 待機・休息場所、トイレ・水道などの有無
  • 収録場所への移動時間、集合場所
  • その他必要な機材・用具の把握

ロケーション撮影の許可

公共・民間を問わず、ある場所で撮影やイベントなどの行為を行う場合は、その場所の所有者または管理者の使用許可が必要です。映画やテレビドラマに限らず、少人数のロケーション撮影でも、原則として必要な許可なしで行うことはできません。
使用許可の申請先は使用する場所によっても異なりますし、複数の機関に提出しなければならない場合もあります。一般的には下表の通りですが、自治体によって名称や所轄が異なる等、ケース・バイ・ケースなので、ロケーション場所の候補が決まったら、すぐに関係機関に問い合わせて、くれぐれも間違いがないようにしてください。
ロケーション当日に撮影ができなくなった…と言う最悪の状況は避けたいものです。以下に、ロケーション場所と申請先を表にまとめました。

場所・特殊使用 許可申請先 申請書類
道路・歩道・地下道・歩道橋など 管轄警察署・交通課 道路使用許可申請書
市道・県道 各建設部道路課など 道路占有許可申請書
国道 国土交通省事務所・出張所
河川、河川敷など 管轄行政区の土木事務所、または、国土交通省事務所・出張所 河川一時使用許可申請書など
山林 管轄行政区の森林管理所など 入林許可申請書
公園 管轄行政区の公園課・公園管理事務所など 公園内行為許可申請書
公園占有許可申請書など
その他公共施設 都府県庁、市区役所、町村役場などの、広報課、観光振興課、フィルムコミッションなど 施設使用許可申請書
施設占有許可申請書など
民間所有の建物・施設・土地など 当該施設・土地の所有者、または管理者 撮影(使用)許可申請書など、各所有者(管理者)と事前相談
イベントの開催
火器・危険物の使用
管轄消防署・予防課、または消防局・予防課 催物開催届出書
火炎発生届出書
煙火打上げ・仕掛け届出書
など

 

申請時は、定められた書式以外に、撮影チェックシート・企画書・台本・見取り図などの資料の提出が求められるのが普通です。申請から許可が下りるまでは1~2週間はかかります。また、許可が得られたと言っても、何でも許されるわけではありません。近隣住民や通行人の方々へできるだけ迷惑をかけない努力は最低限のルールです。そのためには、余裕を持った、しっかりとしたロケーション準備が大切です。
なお、駅や学校など、安全の確保や公共性が優先される場所ではロケーション撮影の許可が下りないこともあるので注意しましょう。このように道路や公共施設でのロケーションの許可は思った以上に大変です。各地域にフィルムコミッション(フィルムオフィス)がある場合は、どのような手続きが必要か、どんな注意点があるか、相談してみるのも良いかと思います。

ハウススタジオでの撮影

ハウススタジオとは、特定の住居や部屋等の内外装を持った、用途を特化したレンタルスタジオです。モデルルームと撮影スタジオを組み合わせたような空間です。「洋館風」「民家風」「マンション風」など、スタジオごとに個性のある内装・インテリアが準備されています。中には、「学校の教室」や「お寺」などのハウススタジオもあり、ロケハンの費用や使用許可を取るわずらわしさを考えると、ロケーションより割安かもしれません。実際、ドラマや商品紹介VP等の撮影ではよく使われています。

ハウススタジオ使用時の注意点
  • 実際の住居を改造したものが多いため、電源の容量が十分あるか確認が必要。
  • 写真撮影用のスタジオは、遮音が不十分、反響が不適切など、同時録音に適していない場合がある。
  • 部屋貸しのみで、機材は自前で準備しなければならない場合も多い。撮影小物を含めて必要な機材を忘れず準備しておくことが必要。

いずれにせよ、スタジオごとに条件が様々なので、事前の確認はしっかりと行うことが大切です。